年間 約8,000時間の削減を実現-経理オペレーション改革事例- Point:経理 効率化 Excel
- Shogo Yoshimi

- 4月25日
- 読了時間: 3分
更新日:6月17日
1. 背景:なぜ見直しが必要だったのか
近年の経営環境の複雑化に対応すべく担当者のマンパワーを頼りに、担当者毎のExcel手作業、単純作業の積み重ねが工数が増大していた。
多様なデータソース:基幹システム、グループ会社間連携資料、PDF請求書、手入力管理表…
ITシステム対応の遅れ:バックオフィス業務に求められるシステム改修対応は劣後され、その分マンパワーによりアドホックな対応を行っていた
属人化・ブラックボックス化:過去の担当者が独自改変されたExcelマクロが乱立し、メンテナンスも実施できない
人員削減圧力:人員削減要請があるも足元の作業工数が膨大のため不可能
このままでは、経理部門の人手不足が加速する一方で、内部統制リスクや監査対応コストも増大。“攻めの経理”実現の足かせとなっていました。
2. 導入前の主な課題
課題 | 影響 |
① 複数データの照合 | Excelのレガシー関数であるVLOOKUPを活用しハンドかつ目視にて照合を実施しており時間がかかっていた |
② フォーマット非統一による再加工 | 担当者ごとにレイアウトがバラバラ |
③ 手作業チェックの多重化 | 確認ステップが増え、レビュー目線も区々 |
④ 属人化したEUC | 担当者離職時に業務停止リスク |
⑤ システム改修リードタイムの長期化 | IT部門リソース不足でシステム化まで1年以上要する見込みで機動的な改善が行えないまま現在まで来た |
3. 解決策:3つの柱で攻める
(1) BPRアプローチによる業務フロー再設計
As-Is 分析:関係者インタビュー×業務観察で「入力→加工→出力」を細分化
To-Be 設計:重複・手戻りの排除かつ「EUC標準単位」での最小プロセス定義
GAP 分析:自動化可能領域の特定と、現行EUCマクロ改修/統合範囲の明確化
計画策定・実行支援:限られたリソース・期間にBPRを完遂するための独自ノウハウに基づいた支援
(2) EUC標準化ルールの制定・浸透
EUC標準化ルール例
シート構成ルール:インプット、プロセス、アウトプットごとにシート分割、入力セル・計算セル・出力セルを色分け
機能利用ルール:SUMIFS・INDEX/MATCHはOK、VLOOKUP/PivotTableは原則禁止
チェックリスト実装:各EUCに自動検証ステップを組み込み、目視チェックを最小化
(3) Excelの最大限活用によるETL自動化
データ取得:データを「一括読み込み」
データ加工:Excel自動ETL機能をフル活用
集計・出力:更新ボタン 1クリックでアウトプットを自動生成
4. 導入効果:定量・定性で見る成果
追加システム投資
0円
年間総工数の減少
11,900 h → 4,200 h(▲ 65 %)
人月換算:6.1人月 → 2.2人月 (これまで6人が必要であった業務が2人で回せるようになった(1日8h、20営業日の前提))
人件費換算:23,740,000円 → 8,366,000円(▲ 15,374,000円) (時給2,000円換算)
月次締め・定型業務のリードタイムの大幅な減少
品質・統制強化
誰でも容易にメンテナンスが可能となり業務継続性の確保
チェック項目の明確化・品質保持目線の統一

5. お客様の声
「これまでの作業時間が大幅に減少し、属人化も解消され、本質的な業務改革を感じています。これを足掛かりにグループ全体のBPRを推進していきたいと思います」
Summary
外部アドバイザー的なBPRのみならず弊社でも手を動かすことで迅速な支援・効果の獲得を実現いたしました。さらには、独自のノウハウに基づいた研修・ナレッジトランスファーを行うといったバックアップ支援を手厚く提供することで、弊社支援ご卒業後も標準化ルールの下、皆さまご自身で継続的にメンテナンスできる環境を整備いたしました。
既存のMicrosoft 365環境、Excelの機能を最大限に活用することで、システムへの追加投資0円ながら、年間7,700時間の工数削減という経理業務の効率化を実現いたしました。
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*本事例は守秘義務に配慮し、内容・数値等を一般化して掲載しています。



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